真田丸、どうだった?

真田丸の感想などを大河ドラマ初心者の女子が綴ります

【真田丸】第8回春日信達を信繁が調略!史実との比較と感想※ネタバレあり

      2017/02/03

真田丸第8話。あらすじを見る限り、恐ろしい衝撃の結末です。そこで気になるのが、じゃあ、史実はどうだったのかということ。実際もこんな出来事あったのでしょうか。

 

真田丸でのあらすじ

・真田信繁(のぶしげ)[堺雅人]…主人公。

・真田昌幸(まさゆき)[草刈正雄]…信繁の父。

・真田信尹(のぶただ)[栗原英雄]…昌幸の弟。信繁の叔父。

・春日信達(かすがのぶたつ)[前川泰之]…上杉家家臣。旧武田家家臣。

 

本能寺の変がおこり、真田の郷の近辺では北条氏が勢力を増す中、昌幸も北条の味方になるつもりだという。そして信繁に、信尹と協力して上杉家家臣の春日信達が北条家へ寝返るよう説得することを命じる。北条軍と上杉軍の決戦の際に春日信達が上杉軍の背後から襲撃すれば、北条氏の大勝利となるだろうとのことだった。

真田家も春日家も、かつては武田家の家臣。春日信達は武田家の滅亡後、織田の家臣になったのちに上杉家の家臣となったが、武田家時代の栄光と比較し落ちぶれてしまった現状を嘆く気持ちを抱いていた。信繁は春日信達に同情し、ともに戦おうと説得。そして春日信達は北条氏に寝返ることに。しかし春日信達は信尹に刺され、あたかも裏切りの発覚により上杉に罰せられたかのようにはりつけにされる。春日信達による上杉軍襲撃の話がなくなり、北条軍は撤退した。そして上杉軍も内乱の鎮圧のため戻っていく。これで真田の郷から有力な戦国大名を追い出すことに成功。すべては昌幸と信尹の策略だった。

 

参考:NHK大河ドラマ「真田丸」完全ガイドブック (TOKYO NEWS MOOK 520号)
p.96~98

 

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史実では?

昌幸と信尹が春日信達の調略を行ったことは史実にもありますが、信繁は関わっていません。そして春日信達は信尹によってではなく、未然に発覚したために上杉景勝によって罰せられたようです。

この調略は見事成功し、信達は上杉軍が海津城を出て北条軍と戦闘状態に入ったらただちに合図の烽火(のろし)を上げ、背後から上杉軍を攻め、景勝を挟撃すると約束したのだった。

だがこの謀略は未然に発覚した。北条方から春日信達に送った使者が上杉兵に捕縛されてしまったからである。

 

引用:真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実 (角川選書) 平山優 著 p.40

ここだけ見ると、昌幸と信尹は真田丸では実際よりも有能なように脚色されたように感じてしまうのですが。

しかし、この一件によって結局は北条軍は退き、さらには上杉軍も内乱の鎮圧のために退き、有力大名を追い出すことに成功したというのは真田丸オリジナルストーリーではありません。昌幸は状況からして、上杉軍はここにいる場合ではないだろうと読みました。その読みはあたります。一方、北条には上杉の危険性を訴えることで北条軍を撤退させたのです。

 

史実を見てみると、実際の昌幸の頭脳にも驚愕でした。そして信尹も。作戦通りにいかなかったとしても、その場を見極めてまた新たな策に打って出る。真田丸では1から10まで昌幸の筋書通りという感じですが、史実では、うまくいかなくても最終的には昌幸の狙った通りになっているといったところでしょうか。ある意味、すべて思い通りのパターンよりも頭脳を要するかと。

上杉につくか北条につくかという策にあたって、調略したのは春日信達だけではありません。まだまだたくさんの人を調略しており、うまくいったこともあれば、失敗して命からがら逃亡したことも。昌幸も信尹も、命がけの策略の数々だったかと思います。頭脳にも驚かされましたが、精神面も並大抵のものではなかったことでしょう。

 

ではなぜ真田丸では、こんなにも過激な設定にされているのでしょう。先にも書いたように、北条と上杉を撤退させるに至るストーリーはもっと色々と長いのでそこまで脚本にできなかった、それでも昌幸の末恐ろしさが伝わるような過激な設定にした、というのもあるかと思います。でも真田丸の大きなテーマは「家族」。真田家や真田の郷を守るためには昌幸は手段を選ばない様子を描きたかったのではないかと推測します。

また、戦国時代の価値観は現在の価値観とは違う。第7回で、実は優しかった滝川一益が昌幸に騙されますが、信達も優しい人のようです。

 

実は、堺さんや監督と「信達は“やさしい人”である方がいい」ということを話していました。いろいろなものをはねのける“強い人”ではなくて、不器用な生き方をしている“やさしい人”。だからこそ、上杉への忠義を捨てられないんです。

 

「真田丸」“信繁の人生を変える”前川泰之を直撃!(ザテレビジョン)

 

この時代、優しく生きることが素晴らしいことだというわけではない。心優しくても悲劇に見舞われることもあり、何が正しいことなのかも分からないような時代。そんな時代の価値観はどんなものなのか。果たして昌幸や信繁の価値観とは。そんなことを問いかけてくるような設定になっているような気がします。

 

番組を見た感想

真田丸のあらすじ、そして史実を見た限りでは恐ろしい策略だなと感じましたが…

実際に番組を見た感想としては、切ないなと感じました。

 

春日信達がもっとも心が動いたのは、かつて父のものであった海津城を、信達にあげましょうという手紙が北条から届いたこと。上杉への想いもありつつも、でも1番大事だったのは父への想いだったのでしょう。上杉を裏切ったというよりも、父を大事にしたかったように感じます。

 

信達に、父のことを熱く訴えた信繁。父上のために海津城を取り戻しましょうと。私の父、昌幸も、死に物狂いで沼田・岩櫃の城を取り戻しましたと。信繁がこんなに感情的になっているのをはじめてみました。信達の人柄に触れ、信達の無念を晴らしてほしいと心から思ったのでしょう。だがしかし、こんな結末に。昌幸や信尹が恐ろしいと思うと同時に、自分自身の犯したことの罪悪感もあったことかと思います。

 

そして信尹。信繁に「以前、俺のようになりたいと言っていたな…俺のようにはなるな」と話しています。そして信達を刺してしまう場面でも「許せ」と一言。信尹も自分がやっていることがどんなことか十分に理解している。でも、そうせざるを得ない。冷酷な人なのかと感じていましたが、そういうわけではない。直江兼続が不信がっている、信繁はもうここから逃げろ、俺は残る、俺は何とかなるから、という言葉に、自分は危険な状況になってでも信繁は守るという優しさを感じました。

 

今回の策略、結果的には昌幸の考えた通りで、おかげで今回だけを見たら、真田家は守られたということになりました。が、しかし、誰かがハッピーになったわけでもない。誰もが心に大きな傷を負ってしまったように感じます。

 

最後に…真田信尹を演じている、栗原英雄さんから。

 

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真田丸のストーリーの史実。こちらを参考にしました。

真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実 (角川選書)

真田丸時代考証担当者、平山優さんによる最新研究の本です。真田丸に関わっている方の本だけあって、まだ全部は読んでいませんが、真田丸ででてくるストーリーは多かれ少なかれ網羅されているような気がします。

 

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 - 第8回「調略」(2月28日)